高分子ゲルは，親水性高分子の3次元架橋ネットワークと溶媒から構成される柔軟な物質です．実は身近にたくさん存在する物質であり，食べ物のゼリーや寒天に加え，私たちの身体の中の細胞や細胞外マトリックス（ECM），生体組織も広義にゲルであると言うことができます．

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当研究室では，ゲル表面/界面の理解・制御を独自の学術基盤として新たな生体材料を創出することを目標としています．具体的には，ゲル表面の接着 (Adhesion)・拡散 (Diffusion)・レオロジー (Rheology)・パターン形成 (Pattern)に関する基礎研究を行うことで，未熟な研究領域「高分子ゲル表面/界面」に関する材料工学の知見・技術を蓄積し，それらを活用して人工ECMや生体接着材料を設計します．創った材料と生体との相互作用を解析し，生命現象の定量的な理解や医療応用に繋げます． 

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当研究室で行う全ての研究における基盤技術は高分子材料合成です．作った材料の構造・物性評価を行う際には，用途に合わせて界面科学，高分子物理，機械工学などを専門とする研究者との共同研究を行います．高分子ゲルの表面/界面は，溶媒を含み柔軟であるため，硬い固体表面で用いられる従来の評価手法が適用できないことが多く，研究を行うためには新たな手法の開拓や独自開発を行うことが必須です．また，作った材料を真に活用するためには応用先の生物学・医学の研究者との共同研究も欠かせません．さらに，材料合成の均質性担保・研究室メンバーの生活の質向上のために，機械工学の研究者らとともに材料合成プロセスの自動化にも取り組んでいます．
私たちの研究は，化学・物理学・数理科学・生物学・医学の全てを融合して挑む，道無き道の開拓です．

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